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2025.04.14

【研究ニュース】”この法律は、なぜ制定・改正されたの?” ~提案理由をAIが特定・要約する新機能を追加~

 当センターの佐野智也 講師は、同じく当センターの岩田直也 准教授と、数理・データ科学・人工知能研究センターの駒水孝裕 准教授らとともに、法律の提案理由をAIによって特定・要約し、名古屋大学が公開している法令データベース(URL: https://jahis.law.nagoya-u.ac.jp/lawdb/)で表示する新機能を追加しました。

 研究成果は名古屋大学の研究成果発信サイトにて公開されました。以下、本文の一部を抜粋します。


 名古屋大学は、2023年11月に法律と勅令を全文検索できるデータベースを公開しました。このデータベースは、専門家から一般市民まで幅広いユーザーの法情報へのアクセスを支援し、法を調査・理解・活用するための出発点となることを目指しています。しかし、法令本文だけでは内容をすぐに理解することが難しく、特に過去の法令を読む際には、立法目的や立法趣旨といった背景事情の理解が不可欠です。
 本研究では、最初に、AIを活用して国会会議録・帝国議会会議録から法案の提案理由を示す該当箇所を特定しました。しかし、会議録中の提案理由の説明は長い場合も多く、非常に読みづらいものです。そこで、要約処理により、読みやすさを大幅に向上させました。データベースでは、要約結果とともに元の発言へのリンクも提供することで、情報の透明性と信頼性を確保しています。
この新機能により、利用者は法令の背景情報である立法目的や立法趣旨を容易に把握できるようになり、法令調査・理解のための重要な手がかりを得ることができます。

https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2025/04/-ai-8.html


研究代表者:デジタル人文社会科学研究推進センター 佐野 智也 講師