デジタル×
⼈⽂社会科学で
知の新時代を切り拓く
人文学・教育発達科学・法学・経済学・国際開発の
5領域が融合しデータ起動型研究を推進。
研究成果を社会実装し、社会課題の解決に貢献します。
2024年4月1日、名古屋大学
デジタル人文社会科学
研究推進センター設立
学問領域の細分化が進み、分野横断による新領域の開拓や⽂系理系を問わない総合知の創出が期待される中、デジタル⼈⽂社会科学研究推進センターは、令和6年4⽉に設置されました。本センターでは、デジタルデータを活⽤したデータ起動型研究を、⼈⽂科学、社会科学双⽅にまたがる領域で推進し、かつ、研究成果を社会実装して社会課題の解決に貢献することを⽬指しています。
NEWS
もっと見る2024.11.20
2024.10.28
デジタル人文社会科学研究推進センターについて
センター⻑
佐久間 淳⼀
デジタル人文社会科学研究推進センターは、令和6年4月1日に発足した名古屋大学の学内共同教育研究施設です。本センターは、人文社会科学分野の研究振興を目的として設置されました。
本センターは、デジタル化された研究データを活用したデータ駆動型研究により、人文社会科学における分野横断的な学際研究の創出を目指しています。近年は技術の進歩によって、文字や数字はもちろん、画像や物、さらにはピラミッドのような建造物もデジタル化が可能となり、そのことがとりわけ人文学分野では大きなインパクトとなって、デジタル人文学、デジタルヒューマニティーズに関心が集まるようになりました。デジタル人文学の発展により、分野を超えた連携が生まれつつあることは良いことですが、人文学の外に目を転じて見れば、人文学と社会科学の連携はまだまだ十分とは言えません。本センターは、デジタル「人文社会科学」を掲げることにより、デジタルデータを活用したデータ駆動型研究という方法論的な共通性を梃に人文学と社会科学の連携を強化し、分野横断的な新領域を開拓していくことをその使命と考えています。
人社系の研究振興と言うと、合わせて語られることが多いのが「総合知」です。社会課題の解決には理系だけでなく文系が生み出す知も必要で、それが総合知というわけですが、実際に総合知が持ち出される場面は、理系が生み出したテクノロジーがもたらす諸課題の解決に文系が協力を求められる、という事例が多く、文系からすれば、文系の知に期待が集まることは良いとしても、結局、都合よく利用されているだけではないか、という思いがないわけではありません。しかし、総合知の活用がそうした例に偏りがちなのは、文系からの発信が少ないことも一因なのではないでしょうか。これからは、文系からも、何を社会課題と捉えているのか、その課題をどのように解決しようとしているのかを広く社会に示した上で、必要に応じて理系の参画を求める取組をもっと積極的に展開していく必要があります。本センターのミッションが人文社会科学分野の研究振興にあることは間違いありませんが、その一方で、センターの活動を通して得られた知見については、社会に向けて積極的に発信してまいります。また、その中で、社会課題の解決に結びつきそうな知見については、本学未来社会創造機構や理系部局とも連携して、社会実装を進めていきたいと考えています。
ところで、デジタル人文社会科学の推進には、デジタル化されたデータが学内外で広く共有される環境が必要です。そのためには、一定の規格に則ってデジタル化を進める必要がありますし、データの共有を可能にするプラットフォームの構築も進めていかなければなりません。このような、デジタル人文社会科学推進に不可欠な学術基盤の整備は、本センターだけで実現できるわけではなく、学内では附属図書館や情報基盤センターと緊密な協力体制を構築するとともに、国内外の関係諸機関との連携も積極的に進めてまいります。発足間もないセンターではございますが、関連諸機関の皆様、また、デジタル人文社会科学と関連の深い領域の研究者の皆様におかれましては、何卒、ご支援、ご協力のほどお願い申し上げます。